レーザーバイポーラによる極めて繊細なシール&カット 素晴らしい・・・(手術画像あり ご注意下さい)

大きな血管を巻き込み出血量が多くなる可能性がある

より多くの人手が必要な術式になる

小さな町の病院では技術や設備上手術対応が難しい

より専門的な知識が必要とされる

と、判断した場合に患畜さんの安全を考慮して高度医療機関に当院も紹介します。

 

それでも時間や距離や金銭の問題から、やらねばいけない場面や判断を迫られる場面が都会の病院と違い格段に多いなぁと日々感じています。

 

 

 

当院の半導体レーザー装置によるバイポーラシーリングは

リガシュア・サンダービート・バイクランプなどの把持できる組織が多い便利な

バイスと違い、先端の数ミリで細かくシール&カットをして手数で処理します。

 

※ひとつ前の記事の耳カットの写真で写っているピンセットみたいなヤツです。

 

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頚部の腫瘍が筋肉・神経・血管を巻き込んで強固に固着しており

急速に大きくなって呼吸や嚥下に支障が出る可能性があったので

最終的に当院で切除を行いました

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どこを切っても血が出るので、周辺からの剥離が全然スムーズ進みません

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それでも徐々に要所をシール&カットすることで

想定よりも出血量が抑えられて、剥離もコンスタントに

進められました

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やむなく切離した大きな血管は2重結紮で確実に止血しましたが

レーザーバイポーラは数ミリ範囲の処理なので

吸収糸のすぐ近くを焼いても糸の脱落や溶解がなくて安心して使用できました