ブームという言葉を保護犬・保護猫活動には使いたくないな、だってブームって「沸き起こる」と「去る」ものでしょ? 

コロナ自粛で新たな生活様式が求められている昨今

ペットとして犬猫を家庭に迎える方がここ半年で急増しているようです。

 家にいる時間が一時的に増えたからだと思いますが、生き物は長生きします。

 

どうか惜しみない愛情を注いであげて下さい

そしてお迎えの時まで全力で健康を追求して添い遂げてあげて下さい

命に対する責任を全うするとはそういうものです。

負の状況に直面することも多い立場として心からのお願いです。

 

 

 

 

那須塩原市那須郡那須町

「永住・別荘向けの分譲住宅・分譲地(一部温泉付き)」のエリアが

各所に存在しており、ご来院頂く皆様の中にも勿論お住いの方がいらっしゃいます。

 

最近お問い合わせが増えているのが「地域猫・通い猫」の問題です。

特に分譲地の集落はヒトの生命活動があり、食事のおこぼれや温もりにありつけるのが

好都合なのか、各分譲エリアごとに「ニャンコロさん社会」が出来ているみたいです。

 

 

そうなると、知らぬ間に子猫がみるみる増えてしまい、結果として悲しい運命に

翻弄される命が増えて、殺処分など負の社会問題にもなっています。

よくテレビでも保護ネコ特集やTNR活動(不妊手術)の取り組みが紹介されています。

 

 

全国的に沢山のボランティアさんやNPO法人さんが活動されていますが

その中で、獣医師が微力ながら力になれる部分は「不妊手術」です。

卵巣・子宮や精巣の摘出をすることで、過剰な繁殖を防いで一定のラインで

コロニー管理が可能になり、人間とののんびりまったりな共存が可能になります。

「飼い猫さんや家庭に譲渡予定がある場合は行わない」んですが

地域に再びリリースする猫の場合、手術済みの証として耳にV字カットが施されます。

よくわからん?という方々は「さくらねこ」と検索してみてください。

 

自治体によっては動物愛護の観点から手術助成金不妊手術に対して出ます。

栃木県北地域も世帯で頭数制限がある場合がありますが制度が整っています。

動物が好きでこの仕事をしているので、せめて力になれる部分はないかと

思いつつ、当院でも依頼があれば適宜手術を行っている状況です。

 

 

お気軽にご相談お待ちしています”ニャン”

 

 

 

でも当院の付近はニャンだけでなくワン(野良犬・地域犬)もとても多いので

これはこれで大きな問題となっています。

これまでニャンほど身近な話題では無かったので

令和のこの時代にまだいたのか!?と驚いている今日この頃の若造であります。

f:id:nasunomori-ah:20200907172804j:plain

耳介は意外に出血しやすいし圧迫でもやや止まりにくいです。

しっかり鉗圧すると挫滅して止まりやすいですし

半導体レーザーのバイポーラでカットすると無出血です。

f:id:nasunomori-ah:20200907172815j:plain

仕上がりもスッキリでキレイです。

耳介腫瘍や頭部外傷のオペにも応用できるので重宝しております。



「先生」という仕事について考える

先日のとある外来にて

 

オーナー様 「先生って塾・学校の先生みたいですね」

 

院長 大浦 「え? そうですか?? 何故ですかね???」

 

オーナー様 「まるで説明が授業みたいなので・・・」

 

 

実は狙い通りです。これはちょいと嬉しかったです。

 

獣医師も一応「先生」と呼んで頂く機会の多い仕事の一つですが、どの「先生」にも

共通するのは他社に何かを教える・伝える・広める・施す・・・etc を生業としている

ことです。特に専門知識や技術を少しでもご理解頂くために、どの職種の方々も

工夫し試行錯誤していることと思います。

 

ちなみに、当院ではホワイトボードを使って整理しながら、ちょっとした個別指導の

講義やカウンセリングのような形で説明しています。

開業までこうした取り組みをしたこと無かったのですが、明らかにオーナー様

のリアクションが違うように感じます。

命に関する小難しいけど重要な話を、聞くことにのみ注力するのではなく

板書をすることで少しでも視覚で捉えつつ(写メしてご家族に共有したり)

集中力を節約できるので、結果として疑問や質問をするゆとりが生まれた結果

双方向のやり取りが増えた印象です。

 

 

塾の先生のアルバイトや過去の塾通いで感じたことが現在仕事に役立っているので

今後もビジュアルに訴えかける”見える”方法で共有できる何かを考えようかな。

 

お昼のワイドショーは視覚に訴えかけてくる工夫が多いので、お知恵を拝借して

引きこもりテレビっ子の素質も無駄にならないように頑張ります。

 

f:id:nasunomori-ah:20200901004528j:plain

「前十字靭帯断裂」疑い、の時のとある板書

手術法とスライディングモデル(脛骨前方突出)について説明

f:id:nasunomori-ah:20200901004542j:plain

体中気になるところだらけ、なコの診察所見をまとめてる様子

必要な検査・処置・処方を提案する為に整理してます

 

字が汚いのはスミマセン、絵が下手なのもご容赦下さい(汗)

磁石でコメント・絵のパネルとか自作しようかな

 

ちなみにうちの女性勤務医はかなりキレイに丁寧に書いてますので安心してください。

重度歯肉口内炎に対する臼歯抜歯・歯肉粘膜フラップ形成術の様子

実は開腹手術より、「労力」と「人間」と「機械」と「忍耐力」が必要なんです。

あくまで個人的な見解です。ものによっては違いますので。

 

これも悩みなのですが、歯科手術・処置を

ヒトの歯医者さんの感覚で思われてる方がとっても多いですが、全然違うんです!

 

犬・猫でも症状や特徴に全然違いがあるので、そこら辺の話は診察室でしましょ。

 

f:id:nasunomori-ah:20200829153346j:plain

麻酔器・人工呼吸器・生体モニター・超音波スケーラー・骨切削機・半導体レーザー機器

手術対応可の流水シンクなどなど、ヤマモリ・モリモリ♪

f:id:nasunomori-ah:20200829153405j:plain

一旦交代してもらって、術中の様子をパシャリ

f:id:nasunomori-ah:20200829153602j:plain

特に奥歯(臼歯)のトラブルが食事や生活に支障出ます

f:id:nasunomori-ah:20200829153540j:plain

歯周病によって顎の骨は溶け、歯肉は腫れあがり、粘膜の炎症がとめどなく・・・

f:id:nasunomori-ah:20200829153518j:plain

切削機で歯を2~3個に割ることで奥歯は抜き易くすることが出来ます

f:id:nasunomori-ah:20200829153440j:plain

抜いた穴は歯槽骨(歯を入れてるプランターみたいな骨)が丸出しなので

穴を縫合して閉じます(写真ではよく見えませんね、すいません)

f:id:nasunomori-ah:20200829155510j:plain

歯が存在するせいで口内炎が激しくなるので、抜いて炎症の理由を除去します

 

証明写真”あるある” → 1~2枚使ってほぼ余らせてなんかもったいない

でも、こうして振り返って懐かしむことも出来るので

良しとしてあげましょう

 

と、自分に言い聞かせました。

 

 

日々の外来で個人的に注意している点は

患畜さん(ヒトで言う患者さん)の病状をいかに、ヒトの”あるある”にのせて

オーナーさんに届けるか」

つまり、ヒトにとって身近なネタに例えることで動物の小難しいことが分かり易くなるかどうか、ということです。

分からない場合は言ってくださいね、うまいこと例えますので。

 

 

お笑い芸人さんの”例えツッコミ”、心から尊敬してます。

 

f:id:nasunomori-ah:20200829150944j:plain

たぶん10代、眉毛いじったり毛量の多さに悩んでいた頃

f:id:nasunomori-ah:20200829150810j:plain

20代半ば、大学在学中かな?

 

f:id:nasunomori-ah:20200829150902j:plain

30代前半の現在です。眼のクマが目立ち、痩せ始めました(笑)

f:id:nasunomori-ah:20200829150928j:plain

ご来院・連絡お待ちしてます=^_^=




 

感染症を媒介する生き物は、皆さんのそばにいますよ・・・

マダニ媒介感染症のひとつである「日本紅斑熱」で亡くなられた方の

ニュースが流れました。

 

新型コロナウイルス感染症の脅威はもちろんですが、人獣共通感染症の危険性

もさすがに定着してきたのではないかと思っています。

 

 

他人事ではないんですよ、、、どうか気をつけてお過ごしください、、、

言いたいことは分かりますよね?

 

「適切な予防薬の使用」を今一度よろしくお願いします!!!

 

 

院内で撮影している写真にも、そんな感染症メッセンジャーが記録されています。

 

f:id:nasunomori-ah:20200819183945j:plain

患畜さんにくっついてた吸血してパンパンのマダニ

f:id:nasunomori-ah:20200819183957j:plain

消化管寄生虫の媒介者でもあるカエル、どうか食べないでください

f:id:nasunomori-ah:20200819184008j:plain

関係ないけど、クワガタが迷い込んできました

夏ですね~、近所でも虫取りの親子をよく見かけます。

和む風景ですねぇ・・・

 

基本手技こそ「丁寧」に「確実」に (手術画像あり ご注意下さい)

犬と猫の精巣摘出術(いわゆる去勢手術)は、獣医療の外科手術の中では入門

であり、町の獣医さんにとっては一般的な術式です。

オーナー様にとっても一般的で馴染みのあるキーワードなので、身近な手技として

認識している方が多いと思います。

 

ですが、立派な全身麻酔下手術なので、決して「安全」で「誰でも出来るもの」で

「絶対に無事に完遂する」とは限りません。

どの手術でも全てにおいて言えることです。

手技自体に問題はなくても、体質の問題など「麻酔」に関連するトラブルの可能性

は予期できない場合が多いです。

そこをちょっとでも明らかにして安全に行うために「手術前検査」があります。

よって、麻酔薬を入れてから覚醒するまではどの部分も危険性を孕んでいます。

 

 

要する費用や入院の有無や手術の術式は

・準備に対してどの程度スタンバイしたか

・手技にどの程度の労力や用具を要したか

・周術期にどの程度の安全策を講じたか

患畜のサイズや基礎疾患や品種的なリスク因子

など、千差万別なので

”あの病院ではこうだったのに・・・”、”この病院ではこうだったが・・・”

といったご意見を日常的に伺いますが、上記のような理由が絡んでいると思われます。

 

 

写真を撮りながら手技や細かなコツを見返すと

コレを教えてくれた厳しくも思いやりをもって接して頂いた(はず?)師匠との

思い出・昔の失礼・至らなかった出来事・感謝・外来の合間に交わした雑談が鮮明に

蘇ります。好きだって言っていたアレを贈り物しないとな、、、

 

と、ふと思いました。

 

 

ワンちゃん・ネコちゃんにおいても熱中症対策ついでにステイホームをおススメ

したくなる陽気が続くので、引き続きご自愛ください。

 

f:id:nasunomori-ah:20200807141822j:plain

エイトノット:8の字結紮 で精管と血管を処理します(猫さんの場合) 

f:id:nasunomori-ah:20200807141832j:plain

ネコさんの袋はこのままくっつくので縫合しないことがほとんどです

f:id:nasunomori-ah:20200807141844j:plain

精管を結紮してアンカー代わりにして、同じ糸で血管をまとめて結紮して糸の滑脱を防ぎます(イヌさんの場合)

f:id:nasunomori-ah:20200807141857j:plain

二重結紮を施して切離し、止血確認をしています

 

 

なが~い梅雨にやっとさようなら

7月は雨が降らなかった日がほとんどなかったらしいし、台風の接近も

なぜか記録的に少ないらしいです。

那須地域の当院も、うだるような暑さかと思えば嵐のような雨に降られてみたり

落ち着かない天気です。

当院の周辺は360度木々に囲まれてるので、7月は総じて鬱蒼とした様子でジメジメしっとりしてました。

 

 

 

やっと晴れ間が出てきたので、やりましたよ、今年初の草刈り。

ウィーンと、バリバリッと、やってやりました。

ハンドル軽く握って持ってるだけなのに、手のひらが皮むけて穴だらけです。

そしてこれしきで息が上がりました。虚弱すぎて笑えてきました。

 

それでも外来はタフに頑張ってますので、ご予約のお問合せお気軽に電話下さい。

 

f:id:nasunomori-ah:20200804183857j:plain

院長自らバッサリやっています

f:id:nasunomori-ah:20200804183926j:plain

黙々とすまし顔でやってますが、手のひらはズル剥けヒーヒーしてます

f:id:nasunomori-ah:20200804183917j:plain

新鮮な雑草はかさばりますが、日当たりいいところにある程度まとめて数日放置しておくと

カッサカサになってまとめやすい気がしました。